横浜の歯科 矢島先生の個人成り事例
神奈川県横浜市のヤジマデンタルクリニック様は、行政書士柏崎法務事務所にて、法人から個人事業への転換をおこないました。その経緯と効果について、歯科医師で代表の矢島 桂子様にお話を伺いました。
(大倉山ヤジマデンタルクリニック様について)
横浜市港北区の歯科医院。1999年医療法人博愛会 大倉山ヤジマ デンタルクリニック開院。2013年大倉山ヤジマ デンタルクリニック開院。
■ 大倉山ヤジマデンタルクリニックの概要 ~1999年、横浜市港北区にて開業
― 大倉山ヤジマデンタルクリニックについて、教えてください
横浜市港北区(東急東横線大倉山駅近く)で、1999年に開院した歯科医院です。ひとの持つ五感をたいせつにしながら患者さまとの対話をだいじに、歯科治療をおこなっています。
― 法人を廃止し、個人事業を開設したきっかけは?
1999年の開業時に法人化し、2014年に法人を廃止しましたので14年間、法人格で歯科医院を経営していました。しかし、個人事業として経営したほうが、「わたしの目指している歯科治療の姿には合っているのではないか?」と思いはじめたのです。
■ とても不安だった、第一印象
― 行政書士は、どのように選定したのですか?
医療法人とお付き合いがありました神奈川県歯科医師信用組合(通称:しかしん)から紹介を受け、お会いしたのが柏崎法務事務所の柏崎先生だったのです。
正直、申し上げると、あまり期待していませんでした。
なにぶん、わたし自身がさがして選んだ行政書士ではありませんでしたので、つつがなく事務処理ができればいいと考えていましたし、それ以上は望んでいませんでした。そしてある日、「しかしん」の紹介で柏崎先生とお会いすることになったのですが、驚きました。
― なぜ、驚いたのでしょうか?
若いな、と驚きました。(笑)。こんなに若いけど、だいじょうぶ? これまでの実績も、過去の経歴も、なにもわからないけど? ちゃんと手続きできるの? と不安にもなりました。
「個人事業からの法人成り」というのは多いでしょうが、わたしの場合はその逆です。「法人から個人事業主」ですから、その経験の有無はとても気になりましたね。しかし、医療法人設立の経験は豊富ですし、その逆もあると。若くても経験があるなら、年齢は関係ないかなと思いましたよね。
■ 事務処理対応が完璧な上に、心配りのある対応をしていただきました
― 不安はあったとのことですが、実際に柏崎さんの対応はいかがでしたか?
とても満足しています。当初思っていた「つつがなく事務処理ができればいい」というレベルを、はるかに超えた対応をしてもらいました。
柏崎先生の対応を一言でいうと「事務的でない心配りにあふれた対応」になると思います。
特にそれが表れていたのが、次の3点です。
1. 個人事業への変更というレアケースだが、手続の詳細な全体図を提示してくれたこと
2. 忙しい院長の対応に特に慣れた報連相の無駄のなさ
3. 「こんなところまで?」という対応
■ 柏崎法務事務所の3つの特徴
― 「1. 個人事業への変更というレアケースだが、手続の詳細な全体図を提示してくれた」とは?
私にとって、今回の手続きは初めての経験で、とても不安でした。
それに対して、柏崎先生は、レアケースにも関わらず、手続きの開始から最後までの全体像=地図を示してくれ、「いま、ここです」と逐一教えてくれました。私としては、手続き過程で「手続き完了まで、どれくらいか?」ということが、正確に把握できたので、とても安心できましたよね。
医療法人を解散し、個人事業に戻るというのは、ケースとして多くないと思います。それでも、柏崎先生がつつがなく対応できるのは、医療法人設立の「豊富な経験」があるから、だと感じました。
― 「2. 忙しい院長の対応に慣れた報連相の無駄のなさ」とは?
報告・連絡・相談の多くはメールですが、クリニック経営に忙しいわたしにとって柏崎先生のメールはポイントが絞れているので、不要な情報はありません。かといって、無味乾燥なメールではない。
法人をやめて個人に戻るという難しい手続きだったにも関わらず、ポイントを押さえた文面ですぐに内容を理解することができました。不慣れな方の文章は、理解するのに時間がかかります。読んでストレスを感じます。しかし、柏崎先生の文面からは、そのようなムダが感じられませんでした。また、報連相をすればいいというのではなく、忙しい私に配慮した気配り・心配りも感じました。たしか、40から50通くらい、メールのやり取りをしたと思いますが、あまりの対応のよさに、履歴をすべて保存しているほどです。忙しいわがままな院長の対応を数多くこなして、とても慣れているのではないかと思いました(笑)
柏崎)はい。忙しい院長先生は長文で指示が不明瞭なメールを特に嫌います。そのため「現状報告と指示を明確かつコンパクトに」が、忙しい院長に送るメールのポイントです(笑)専門用語、長文メール、大量の添付ファイルは厳禁です。
― 「3. こんなところまで? という対応」とは?
仕事柄、さまざまな方と接することが多いのですが、「頼んだことだけ」「言ったことだけ」しか対応してくれない人は多いものです。
しかし、柏崎さんは全く違いました。
言われなければ気づかなかった点、間違えそうな点には、先回りして指摘してくれました。それ以外にも「こんなところまで、対応してくれるの?」「こんなところまで調べなくてもいいのに」という部分にまで、対応してくれました。
たとえば、柏崎先生にとっては受任外の手続き(カードの名義変更、医師会の手続きなど)についてまで連絡先や注意事項まで記載した一覧を作成していただきました。
難易度が高く、頻度も少ない個人事業への変更手続きだと思いますが、多くの経験があるからこそ、できる対応だと思います。
ですからわたしは、「自分がすべきこと」に集中し、対応すればよかった。その点でも、専門家に依頼してよかったと思います。
また、柏崎先生は、7か月の手続き期間のうち、前半の3か月で「過去と未来の整理」をしてくれました。これにより今後のことを考える機会ができ、単に手続きを進めるだけでなく、頭の中が整理でき、今後の医療方針を再考することができました。このような手続きの進め方にも柏崎先生の心配りを感じました。
■ 法人から個人事業主への切り替え時、保険治療が不安でした
― 柏崎さんに伺います。法人から個人名義に切り替える際に重要となるポイントを教えてください
柏崎)
法人から個人に切り替えられることは、あまり広く知られていません。しかし、跡継ぎが見つからない場合や、今回の矢島先生のように診療コンセプトとの整合性を図るうえで、個人事業主に戻るメリットが生まれると思います。医療法人設立後の着地点として、頭の片隅においておくとよいと思います。
前提として、法人廃止と個人事業主の条件が満たされていること。
そのうえで、次の3点がポイントとなることが多いでしょう。
① 切り替え時期のコントロール
法人から個人への切り替え時期のコントロールをしなければなりません。万一、切り替えのタイミングに空白期間が発生してしまうと、保険診療適用外となることがあります。
② 不動産の契約名義
個人事業に切り替わると同時に、法人名義で契約していた賃貸借契約も、個人契約に切り替わります。気をつけなければならないのは、名義変更による契約の仕切り直しです。
たとえば、「原状回復」という文言のあいまいさ。「原状」定義があいまいであるため、トラブルの元となりことが多い。また、設備の撤去やクロスの剥し、間仕切りなどの撤去が、入居者負担になる恐れがあります。さらに、火災保険の加入の業者選定には自由がきかない、医院の看板を出している場合など、掛け替えの際は、賃貸人の承諾が必要になるなど、賃貸契約を変更するにはリスクがあります。
'矢島先生の場合は、賃貸契約の内容を吟味するよう、すぐに契約を締結しないようアドバイスをしました(行政書士 柏崎)
③ 資産の名義変更
「治療費のクレジットカード払い」に対応している場合などは、契約名義が法人になっているものをすべて個人名義に変更しなければなりません。
ところが、契約関係は多岐にわたることもあり、正確に把握できていないことも。そこで、当事務所では、名義変更が必要な契約関係をリスト化していますので、リストをチェックしていけばヌケモレなく、すばやく名義変更手続きをすることができます。「いつ」「どこの会社に」「電話番号」に連絡をして、どのタイミングで法人から個人に変更すべきかが明確になります。また、名義変更の時期も重要なポイントです。
リース支払、保守料をいつから法人で終えて、いつから個人にするか。保険診療入金をいつから法人で個人になるか。カード入金はカード会社の手続きが遅れることが多く入金が遅れることもあります。もっとも重要な問題である借入金は、矢島先生のケースでは問題になりませんでしたが、注意すべき点ですね(行政書士 柏崎)
その他
保健所の立入検査が発生する場合がありますが、一般的には手続き関係に不備がなければ、立ち入り検査の対象になることは少なく、過度に心配する必要はないと思います。
契約関係とは直接関係しませんが、個人事業主になったことで、それまでの健康保険よりもお得な、医師保険への切り替えもできますし、「医療法人◯◯」という名義での屋内外看板は忘れずに変更しておきましょう」(行政書士 柏崎)
― 柏崎さんに伺います。法人を廃止し、個人事業主に戻るケースは難しい案件ではありませんか?
柏崎)簡単とはいえません。しかし、手前味噌になりますが、医療法人の手続経験が豊富な弊所にとっては十分対応可能な案件でした。経験が豊富なため、過去の案件で使った手段などを組み合わせて道筋を作っていけたからです。
■ 今後はより、「事業の終わらせ方」を見据えた医療法人が増えるでしょう(柏崎)
― 改めて、柏崎さんの対応についてお聞きします
全体をとおして感じたのは、知識が豊富だということ。おそらく、法人から個人への切り替えというのは、難易度が高く、頻度の少ないケースだと思います。個人成りができることを知らない医師もいますし、どんな手続きがあるか知らない医師も多いでしょう。それでも柏崎さんが対応できたのは、豊富な医療法人設立経験があったからだと思います。
おかげで、わたしの治療時間を使うことなく、無事に個人事業に戻れました。
― 今後、法人解散⇒個人事業を検討している方へ、アドバイスをお聞かせください
経験に勝るものはないと思っています。
「医療法人の解散」「個人事業へ変更」というのは、そう多くあるものではないでしょう。なおさら、経験の有無が結果に大きく影響すると思います。
― 柏崎さんに伺います。やはり頻度は低く、難易度は高いのですか?
柏崎)
はい。「医療法人の廃止」は、稀なケースですから、少ないですね。ただ、今後は増える可能性を感じています。なぜなら、少子化の影響や後継者問題などの影響もあり、「事業の終わらせ方」を含めて、医療法人設立を検討する医師が増えていますから。
わたしは医療法人設立の専門家ということもあり、経験に恵まれました。いまでは、日本全国から相談がやって来ます。税理士や会計士などの専門家だけでなく、同業者である行政書士からも「事業の終わらせ方」の相談が来ます。ケースとして増えているのでしょうね。しかし、経験がないため、対応できない。その意味でも、わたしは医療法人設立の経験は大きく影響すると思いますね。
― 「医療法人設立の専門家」というのは、少ないのですか?
難易度や頻度から考えると、少ないですね。
また、医師と比較するとわかりやすいのですが、医師には厚生労働省からの指導によって歯科や内科、外科などの標榜科目の表示が義務付けられていると思います。しかし、行政書士にはその義務はありません。平たくいえば、「言ったもん勝ち」なのです。言いかえれば、経験に関わらず医療法人設立専門と看板を出せる。ですから、「看板があっても経験ゼロ」ということも、実際にあり得るのです。
■ 14年ぶりに個人事業主に戻り、コンセプトを医院経営に反映させたい
― 法人から個人事業へ変わったことで、どのような点に変化が表れましたか?
14年ぶりに個人事業主に戻りましたが、経営面での変化はありません。むしろ、個人事業になったことで小回りが効くようになり、経営がいままで以上におもしろく感じてきました。その経営についても、公認会計士や社会保険労務士、そして行政書士である柏崎さんなど、周囲でサポートしてくださるプロフェッショナルの方々からもいろいろと勉強させてもらっています。先日も、新規ビジネスを思いついたので、真っ先に思い浮かんだ柏崎さんに相談。会社設立のことも相談しましたね。
― 今後の展開をお聞かせください
これからは、個人事業に戻した目的のひとつである、わたしの思い=コンセプトを医院経営に反映させていきたいですね。そのうえで、一歩ずつでも規模をおおきくしていき、より多くの患者さんに不安やストレスの少ない治療をしていきたいと考えています。
そのためにも、今後は歯科衛生士をはじめとする、スタッフの採用を強化していきたいと思います。
スタッフには、プロとしての自覚を持ってほしい。わたしたちは、それぞれの専門のプロです。歯科衛生士のプロであり、助手のプロであり、技工士さんもプロ。患者さんもプロで、プロの患者さんから学ぶことは多い。患者さんが満足する仕事をして、「来てよかった」と思える医院つくりをしよう、とスタッフには話しています。
― 柏崎法務事務所に期待することをお聞かせください
同様に、行政書士のプロとしての柏崎さんに期待することは大きく、ビジネス全般に精通しているので、いろいろな面でアドバイスをいただきたいと思っています。これからも、ご指導のほどよろしくお願いします。
医院名 大倉山ヤジマ デンタルクリニック
代表 矢島 桂子様
所在地 神奈川県横浜市港北区大倉山1-17-11
URL http://www.ydent.or.jp/